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切削工具選定・・



材料の固定と芯出しができたら切削工具の取り付けとなります。

図面確認の時点で段取りをすべてイメージしているという前提ですが、順番に説明しているため後付けのような形となっております。


バイトと呼ばれる切削工具は大きく分けて「スローアウェイ」「ろう付けバイト」「ハイス」の三種類。

チップや刃先の種類は色々ありますが、ここでは手順や特性に触れていきます。


材料のビビリと切削工具のビビリ状況により以下のように選定していきます。
※ビビリ:振動により切削表面が波打つこと


スローアウェイ(高速回転、段取容易、ビビリやすい)

ロウ付けバイト(高速回転、段取手間)

ハイス(低速回転、段取手間)


ビビリの原因は主に回転と刃物の形状や研ぎ方にありますので、ビビル時はすぐに切削工具の交換をせず、回転数を下げるか刃物を研ぎ直してみましょう。
※スローアウェイの場合は刃先が欠けていないかチェック


【スローアウェイ】
・超硬チップ
・ハイスチップ

ホルダーに市販のチップを取り付けて切削する工具

チップが痛んでもチップのみの交換で済むため、最小限の当たり修正だけで作業を継続可能
※当たり:切削工具の芯(位置)出しのこと

切削が押し切りであるため、材料と切削工具に力が入りやすくビビリやすい

チップによる切削のため、素人や玄人に関係なく安定した加工が可能


【ろう付けバイト(超硬)】
・鋼用(P)(STi/TX)(青ラベル)
・ステンレス用(M)(UTi/TU)(黄ラベル)
・鋳物用(K)(HTi/TH:G2)(赤ラベル)

※左四本ロウ付け/右六本ハイス

鋼に超硬チップをろう付けした切削工具

刃先が痛むと研ぎ直して再使用可能

毎回当たりを出す作業が必要なものの、刃先の研ぎ方で様々な用途に対応可能

コスト面でも優れているため、熟練工の基本切削工具として活躍


【ハイス】
・金色塗装(ゴールド)(標準切削用)
・黒色塗装(ブラック)(硬さが必要な平削用)
・銀色塗装(シルバー)(靭性が必要な切削用)

昔はこれしかなかった・・らしい

切削工具として様々な材種に対応でき、仕上表面粗さもいうことなし

しかし、鋼という特性上、高速回転による熱に弱く、油を切らすと切れなくなる

断続切削にも強く、切削工具の選択肢がなくなった場合の最後の砦

熟練工でたまにハイスのみで加工されている方がいますが、削り代が増えれば増えるほど手の遅さを感じます。

仕上も綺麗で工具選定の手間が省けるのはいいのですが・・というところ
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